ガラスコーティングは有効?車の日焼け防止策!
自動車の塗装は太陽光や気候の影響で劣化しやすく、とくに日焼けが問題です。そこで注目されているのが「ガラスコーティング」です。この革新的な技術は、車の表面に強固な保護層を形成し、紫外線などから車を守ります。しかし、その効果や耐久性には疑問もあります。本記事ではガラスコーティングの有効性や注意点について解説します。
車も紫外線で劣化する?
心地よい日差しも愛車にとっては一大脅威かもしれません。
車の塗装も、人間の肌と同様に、日光の影響を受けて劣化します。車の塗装は、普段から花粉や砂、水垢などの影響で劣化していきます。とくに劣化の一番の原因として挙げられるのが「紫外線」です。
環境破壊の影響により、オゾン層を失いつつある昨今では地上に降り注ぐ紫外線量は増加傾向にあり、くもりや雨の日でも30〜60%程度の紫外線があるといわれています。紫外線が塗装部分に当たると、クリアー層の劣化が進み、色褪せの原因となる「チョーキング現象」が起こりやすくなります。
これは、ボディカラーの元となる樹脂の分子結合が壊され、塗装面に白い粉を付着する現象です。さらに、塗装面が劣化し続けると最終的にクラッキングと呼ばれるヒビ割れが起こります。
部分的なダメージならその周辺をマスキングし、部分塗装でカバーもできますが、この状態になると研磨作業による通常の修復では追いつかず、再塗装が必要です。このような紫外線による劣化は、車の外装だけでなく、樹脂製パーツやライト、内装のレザーシートなどにも影響を及ぼします。
初めは目立たないかもしれませんが、数年が経過すると色褪せや剥がれが目立ち、愛車の美しさを損ないます。また、劣化した状態は車の査定額にも大きな影響を及ぼします。
車の代表的な日焼け防止策
車の外装や内装を紫外線から保護するために、さまざまな対策があります。
以下では、車の日焼け防止策として代表的な方法を紹介します。
ガラスコーティング
車の塗装を保護するために、コーティングは最も有効な方法のひとつです。
塗装面に特殊なコーティング剤を塗布することで、耐久性の高い被膜を形成し、車両を外部要因から守る効果があります。ガラス系コーティングやセラミックコーティングなどの種類があり、持続期間や効果が異なります。市販のコーティングスプレーでも問題ありませんが、専門業者に依頼すればより高い効果が期待できます。
サンシェード
フロントガラスに取り付けるサンシェードは、内装を紫外線から守る効果があります。
アルミ素材など遮光性の高いものがおすすめで、比較的低コストで手に入ります。
紫外線フィルム
サイドやリアガラスに紫外線フィルムを貼ることで、内装の劣化を軽減できます。
業者に依頼するか、自分で適切なフィルムを購入して貼ることができますが、可視光線透過率には注意が必要です。
ボディカバー
ボディカバーはもっともかんたんに車を保護できる方法です。
車両全体を覆うボディカバーは、紫外線や雨、ホコリから車を保護します。ただし、毎回脱着が必要なので、手間に感じる方も多いでしょう。そのため、使用頻度が低い場合に向いているといえます。
また、ボディやカバー自体に汚れが付着していたり、カバーのサイズが合っていないと、スクラッチ傷がついてしまう恐れもあるため注意してください。
カーポート
カーポートを設置することで、車両全体の紫外線対策が可能です。
屋根と柱だけの構造で、紫外線だけでなく雨や鳥のフンからも車を守りますが、設置費用が高い点には注意が必要です。
ガラスコーティングは有効?施工のメリット
ガラスコーティングは車の日焼け防止に有効な策のひとつです。
ここでは、ガラスコーティングの施工メリットについて詳しく解説します。
UV保護効果
ガラスコーティングは、塗装面に薄い被膜を形成することで、紫外線から車両を保護します。
この被膜は、紫外線による塗装の劣化を軽減し、車体の色褪せやボディへの影響を防ぎます。特に長時間の屋外駐車や激しい気候条件下での使用において、UV保護は重要です。
汚れや傷からの保護
雨水がボディ表面に付着すると「雨シミ(イオンデポジット)」と呼ばれる白いシミが付きます。
水道水や井戸水などにも含まれていますが、カルキや塩素などが乾くと雨シミと呼ばれる汚れが発生します。しかし、犠牲被膜効果をもつガラスコーティングであれば、雨シミはもちろん、酸性雨や路面からの汚れ、飛び石や擦り傷などによる外的要因からのダメージを防げます。
洗車が容易になる
ガラスコーティングを施すことで、車体表面が滑らかになります。
これにより、汚れが付着しにくくなり、洗車が容易になります。頑固な汚れも簡単に落とせるため、定期的なメンテナンスがスムーズに行えます。
車両の保有価値向上
将来的な車両の売却を考える場合、ガラスコーティングは査定価格にプラスの影響を与える可能性があります。
施工された車両は、外観の美しさや耐久性の高さが評価され、査定額が上昇することが期待できます。また、再販時の磨き作業が省けるため、販売プロセスもスムーズになります。
まとめ
車は紫外線の影響を受けると、塗装やパーツが劣化します。この劣化を防ぐには対策をしなければなりません。複数の対策を組み合わせることで、車の日焼けや劣化を防ぎ、長く美しい状態を保てます。また、こまめな洗車や定期的なメンテナンスも大切です。とくにガラスコーティングは、自動車の外観美だけではなく、耐久性や保有価値の向上にも貢献します。その効果は洗練された技術と素材の進化によってますます高まっており、車の所有者にとって価値のある施工方法といえるでしょう。